転職ノウハウコラム

退職理由を聞かれない採用面接はない

転職エージェントは、採用面接に日々接しています。
採用面接に同席をすることもありますが、ほぼ100%の確率で退職理由を聞かれます。
それほど、企業にとっては、前職を辞めた理由が気になるということです。

今回は、転職エージェントからみた退職理由の設計方法についてご紹介いたします。
転職を検討している方にとっては、とても重要なことになりますので、ご参考にしてくだい。

なぜ採用面接で退職理由を聞かれるのか

退職理由を設計する上で、とても重要なのは、「なぜ採用面接で退職理由を聞かれるのか」ということを理解しておくことです。
どのような退職理由であれ、面接の目標は「採用内定を勝ち取る」ということです。

その目標を見据えながら、退職理由を設計する必要性があります。
一方的な話になるのではなく、相手の立場に立った、相手が納得できる退職理由を設計することがポイントになります。

仕事の価値観を知りたい

その人がどのような仕事に対する価値観をもっているのかというのは、数時間の面接で明らかにすることはできません。
ですが、会社はその価値観について、知りたがっています。

仕事に対する価値観を、すべて理解することはできませんが、退職理由如何によってはある程度想像することができます。
なので、安易な会社批判や自分よがりな要求はできないということになります。

責任と権限についてどう考えているのかを知りたい

仕事には「責任」と「権限」があります。
権限があるので仕事ができますし、責任があるので権限を与えます。
「責任」と「権限」は表裏一体のものですし、バランスがとても重要です。

責任ばかり重く権限がない場合や、権限ばかり主張し責任を負わない場合は問題となります。
会社はこの退職理由を聞くことで、「責任」と「権限」のバランスがとれた人かを判断しています。

自社でやっていけるのかを知りたい

人の採用は、ある意味投資です。
投資は、将来の付加価値に対する期待があります。
また、会社は採用活動の予算をとっています。採用活動はある採用コストをかけた先行投資ともいえます。

コストと労力をかけて採用した人材が、継続して働いてくれるかを会社は見ています。
その継続性の判断として、「退職理由」を聞くのが一番です。

退職理由を伝える場合のポイント

退職理由をなぜ聞かれるのかということを押さえたうえで、退職理由を設計していくときのポイントについてお伝えしていきます。

あくまでもポジティブな退職理由にする

理想郷のような仕事というのは存在しません。
どんな仕事でも、ポジティブな面はありますし、不満を感じることもあります。

でも、その不満をストレートに退職理由にすることは、会社に不信感を与えます。
不満がどのようなものであれ、会社はその状況をすべて理解することはできません。

どのような不満感があったとしても、退職理由を設計する上では、転職後の展望やその不満の対応策など、ポジティブな方向に設計することがポイントです。

退職理由と志望理由はセットにして

退職理由が退職理由で終わってしまうと、ただの不満になります。
退職理由はあくまでも次のステップのための、ひとつの出来事にすぎないという流れにするべきです。

将来に対する展望や自分のキャリアに対するプランがありので、次のステップに進むという設計の仕方です。

前の会社ではできなかったことをしたい、そしてその実現のあかつきには会社に貢献する。
退職理由を後ろ向きなこととしてとらえず、あくまでも志望理由の一環として設計することがポイントです。

面接官は採用のプロ。嘘は見破られる

退職理由をポジティブかつ志望理由に結びつけるのは重要ですが、あからさまな嘘は見破られます。
面接官は、人を見るプロです。その場限りの言い逃れは、見破られてしまいます。

ポジティブな退職理由にするというのは、嘘をつくということではなく、切り口を変えるということです。
切り口を変えることで、ネガティブなイメージをポジティブに変えていきます。

面接で成功する退職理由例

転職相談を受ける時、「退職理由をどう伝えればいいでしょうか」とい質問を多く受けます。
その中でアドバイスさせていただいている例をご用意しましたので、参考にしてみてください。

キャリアアップを実現したい

とてもポジティブな退職理由で好感がもてます。ただ、キャリアアップとキャリアチェンジを混同している方がいるので注意が必要です。
キャリアアップは今までのキャリアの延長線上にありますが、キャリアチェンジは前職とは関係のない分野への転職になります。さらに、キャリアアップの具体性について検討してみてください。前職ではできなかった分野を明確にして、自分の専門性の中で、どの分野のスキルを高めたいのかを伝えてください。

業績・将来性のある会社で働きたい

一見ポジティブな退職理由のようですが、前職の将来性に不安を感じているのでいたくないというネガティブな一面も入っている退職理由になります。会社にはいい時も悪いときもあるので、悪い時はさっさと逃げ出すという印象を持たれてはいけません。
事実は、前職の会社に不安があったとしても、自分のキャリアと会社の将来性をセットにして、退職理由と志望理由を設計するようにしてください。

人間関係が自分に合わなかった

どの職場でも人間関係の問題は存在しています。そのどこでもありえることを退職理由に設計することはお勧めしません。
面接官は当然、当社でも人間関係の問題でやめてしまうのではないかと思うでしょう。

どのような人間関係の問題があったにせよ、それを理由にするのではなく、あくまでもキャリアを前提とした退職理由を設計してください。

残業が多い

残業が多い=休みが欲しいと受け取られると、仕事に対する前向きさをアピールできません。
そうではなく、効率的な仕事や生産性の高い仕事へのチャレンジとして退職理由を設計してください。

体調を崩した

体調が悪く退職した場合を隠すことは嘘になりますので、避けた方がいいでしょう。
しかし、ポイントは今は完治していることを、きちんと伝えることがポイントになります。
面接官に安心感を与えてください。
退職理由は採用面接で必ず聞かれることだと言いましたが、これはある意味チャンスです。
どのような質問が来るかわからなければ不安になりますが、何を聞いてくるのかがわかれば、安心できます。事前に準備ができるからです。
退職理由をポジティブにするように準備を整えれば、大きなアピールポイントにもなります。
ぜひチャンスだと思って、退職理由を設計してみてください。
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